丁酉 初釜その1
今年も年初からあちらこちらの初釜へお招きいたしました。
それぞれに趣向が楽しく、心踊りながらも学び多きひとときとなります。
流派は異なりましても、茶の心は同じと感じております。
毎年ご挨拶に伺う<遠州流>の初点て茶会は大名茶の麗しい設えにうっとり。
道具組みも侘び茶のシンプル美眼とは違い、華やかさが際立ちます。
待合で櫻花の汲み出しをいただき、ほかほかフワフワの紅白饅頭をいただきと、今年もここに居られることに感謝するひと時です。
寄り付床には、遠州さん所縁の歌のお軸。嫋やか(たおやか)な仮名文字にうっとり。飾られた箱書きからも『野原で鳥のさえずり』が聞こえるような道具組みとお見受けしました。
本席に移り、お家元直々のお点前を拝見し、甘みと深みある濃茶をたっぷりといただき幸せなトキです。わたくしの想像を掻き立てた道具たちにも出会え、お家元の豊かな心根を感じました。
その後の点心席では初春を彷彿とさせる祝膳に舌鼓。
銘々にお出しくださった点心盆は持ち帰りができるのも嬉しいものです。我が家の道具棚も干支盆が幾重にも重なっております。
夕暮れの露地を眺めながら茶室に移り、薄茶一服をいただき1日の終わりとなりました。
次に遠州さんと出会えるのは5月の孤蓬庵。追善茶会でお伺いいたします。
様々なお流派とのご縁に感謝しております。