頭(こうべ)を垂れる
10月に入り、穏やかな気候!のはずが、今年は日本列島あちこちで雲の流れに踊らされているこの頃ですね。自然の素晴らしい偉大さと威厳ある強さを身にしみて感じております。
<秋分>末の候【水始めて涸れる みずはじめてかれる】
田んぼから水を抜き、稲刈りに取り掛かる頃。収穫の秋です。
我が家にも新米が届き毎日笑みを浮かべてテーブルを囲んでおります。お米を美味しく炊き上げるには赤金のお釜に限る!と、炊飯器とサヨナラ〜。からかれこれ10年ほどの月日が過ぎました。火にかけて12分、蒸らしに5分、つやつやの銀シャリが出来上がり、お代わり必須です。
利便性に富み、あらゆることがスイッチポン!で済ませられる世の中ですが、日々の生活の中で、“物事に時間と手間暇をかける”ことを心がけています。手間はかけた分だけ大きな幸となって戻ってくるものですもの。
お料理で言えば、もやしの根っこ取りとか、砂肝の筋外しとか大好き。プチトマトを一つずつ蔕を外してソース作りをしたり、グラタンのホワイトソースも美味しくなぁれ♬と唱えながらキッチンに立っています。
メールや電話は今や必要不可欠なコミュニケーションツールでありますが、筆を手に取り巻紙に想いを認める。すると心の奥底からポカポカしたものが湧き出て参ります。
ちょっぴり遠回りかな?と思うことも、いつもよりちょっとだけ時間をかけてみると、豊かさに満ち溢れた気持ちになれるんです。
丁寧に一歩ずつ歩みを進めていると、ふとした瞬間に訪れる新鮮な出来事に気づかされます。そして、小さなことでも自分自身の手でこなすことによって、季節の移ろいをこまやかに感じ取っていられるような気がいたします。
実りの秋。稲の穂が垂れ下がるこの時期になると、自然の中で生かされていることを再認識するのです。
実るほど頭を垂れる稲穂かな…