シンプル美の追求
秋分の日が過ぎ、此の時季を境に日がだんだんと短くなり秋が深まって参ります。七二候 第四六侯目の<雷乃収声 かみなりすなわちこえをおさむ> 夏の日の鳴神も収まり、大気が安定して清秋の頃を迎えます。
秋になると月を愛でる季語がたくさん浮かんでくるものです。お月様を想いながら、稽古菓子の銘は『月灯り(つきあかり)』と致しましょう。
丹波大納言小豆を3日間かけてふっくらと煮あげてみました。今週は、中心部によもぎの求肥をチョコんと入れて、まん丸の小豆のお菓子でお迎えしております。
見た目が真っ黒で、何の変哲も会いませんが、口に含むとあふれる笑顔。
稽古場で【白珪尚可磨 はっけいなおみがくべし】という禅語のお話をよくいたします。皆様それぞれ 自らが持ち合わせる白い珠!それを磨くために稽古に勤しんでいると言えるでしょう。上から纏った宝石に力を借りるのではなく、自分自身が発光することを目指して…。真の上質には華があり輝きが宿っているもの 遠くからでも目を惹くような上質オーラを放つものです。モノもヒトも!シンプルなのに心地よい美しさを放つには内側が磨かれているものと感じます。